皇子神社の夏祭り
 三方を海に囲まれた庵治町においては、古くから海からの恵みに感謝し、また海での安全を祈願するための神が少なからず祀られている。その崇敬される代表格が皇子神社である。
 町内には承和七年(840年)に一郷一八幡として誉田天皇(ほんだのすめらのみこと)外三神を勧請した古社である桜八幡神社があるが、その境外摂社、つまり離れたところにある規模の大きめの付属の神社で、祭神は全国的にも珍しい宇遅能和紀郎子(うじのわきいらつこ)。応神天皇の皇子で仁徳天皇の異母弟にあたる古墳時代の人物で、仁徳天皇と皇位継承を譲り合ったとの伝説がある。誉田天皇と応神天皇は同一人物とされるので、納得の行く祭神である。
 
庵治の獅子舞
 カンカラ、カンカラ、トンコ、トンコ・・
収穫を終え一息ついた田んぼの中の道を進む渡御の列から止め処なく放たれる獅子舞の鉦と太鼓の甲高い音の波。
 それは冷気を湛え澄み渡った晩秋の空に幾重にも広がり、さらに夕日を背にした五剣山の切り立つ峰にこだまする。
 これは櫻八幡神社の秋の例大祭で皆様にもお馴染みの光景です。
櫻八幡神社の神輿行列
秋の例大祭での一コマ。その重みが担い手の体に食い込む様子が見てとれます。お旅所に向かって参道を降り来るところです。